ウィジェットのスタイル

ruby/gtk では、スタイルをあらわすクラスとして Gtk::Style というクラスがあります。 スタイルは、フォント、 フォアグラウンドカラー、バックグラウンドカラーなどの属性を持っています。 なお、Gtk::Style のスーパークラスは Data であり、 Gtk::Object からは派生していません。

以下に、ウィジェットのスタイルを変更して、 ちょっと変った外観のボタンを作る例を示します。

プログラム style.rb:

require 'gtk'

window = Gtk::Window.new(Gtk::WINDOW_TOPLEVEL)

style = Gtk::Style.new
style.set_font Gdk::Font.fontset_load '-adobe-helvetica-bold-r-normal--18-*'
style.set_fg(Gtk::STATE_NORMAL, 10000, 50000, 60000)
style.set_bg(Gtk::STATE_NORMAL, 65535, 50000, 50000)

Gtk::Widget.push_style style
button = Gtk::Button.new('Hello World')
Gtk::Widget.pop_style

window.add button
button.show
window.show
Gtk.main

実行結果

プログラムの説明

• style = Gtk::Style.new
  スタイルオブジェクトを生成します。
• style.set_font Gdk::Font.fontset_load '-adobe-helvetica-bold-r-normal--18-*'
  スタイルのフォント属性を設定します。
• style.set_fg(Gtk::STATE_NORMAL, 10000, 50000, 60000)
  スタイルのフォアグラウンドカラーを設定します。 最初の引数は、ウィジェットの状態を指定するもので、以下のものがあります。
  • Gtk::STATE_NORMAL -- ウィジェット標準状態
    
  • Gtk::STATE_PRELIGHT -- マウスがウィジェットの上にある状態(押されてはいない)。
    
  • Gtk::STATE_ACTIVE -- ウィジェットが押されているかクリックされている状態
    
  • Gtk::STATE_INSENSITIVE -- ウィジェットが非活性な状態。
    
  • Gtk::STATE_SELECTED -- ウィジェットが選択されている状態。
    
  この例では、Gtk::STATE_NORMAL を指定しているので、 ウィジェットが標準状態の時の色を設定しています。
  残りの3つの引数は、それぞれ赤、緑、青の色成分の度合いで、 0 から 65535 までの整数で指定します。
• style.set_bg(Gtk::STATE_NORMAL, 65535, 50000, 50000)
  同様にバックグラウンドカラーを設定します。
• Gtk::Widget.push_style style
  スタイルを push します。 これにより、これ以降 pop するまでに作成されるウィジェットは、 push したスタイルに基づいて生成されます。
• button = Gtk::Button.new('Hello World')
  ボタンを生成します。
• Gtk::Widget.pop_style
  スタイルを pop し、元に戻します。